일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,353자 · 371화면

아오조라 문고

時間もなかった。

勝三郎はすぐ、

「出発しよう。命令を伝えてくれい」

光秀へいった。

光秀は、藤吉郎へ、

「では、御免」

会釈して駈け去った。

堤上へ立って、組々の小頭へ、出立の用意を伝えているその声、その行動、いかにも敏速に、よい将校に見られた。

「……お気に入ったろう、信長様には」

藤吉郎は、此方から、その姿を見ながら云った。勝三郎はうなずいて、

「御家中も、いよいよ多士済々だ。尾濃二国に御領土も拡まって、今では、織田全軍を挙げるとなれば、二万はうごかせよう」

「小さいな」

藤吉郎の返辞に池田勝三郎は、かえって会心な笑みをもらした。そして、馬上に移り、また会おうと別れ去った。

街道を蜿蜒と、南へつづいてゆく軍馬のうえに、春風がながれていた。勝三郎は、洲股の領下を出離れるまで、沿道の百姓老幼が、歓呼して軍を送る熱意に驚いた。通過する領地によっては、畑の遠くに鍬を持ったまま百姓は百姓、兵隊は兵隊といったふうに、知らぬ顔して働いている地方もある。いや、明けても暮れても戦乱が多く、戦争に麻痺している土民の神経としては、そうにでもならなければ、悠々、土に鍬を把って、春の仕事を秋のみのりに待ってなどいられないのもむりではなかったのである。