후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,353자 · 371화면
また、われわれの戦備を冷眼視したり、この騒動の中に、茶事などやって合戦をよそ事にしているからには、疾くより織田方に内通している人間かも知れぬ――などと口々に罵った。そして、一人の口から、
「斬ッちまえ!」
と、いう声まで出たが、
「いや一応、御陣所まで引っ立てて糾問のうえにすべきだろう。織田方に誼みを通じておるやつならなおさらのことだから」
それには一人の異議もなく、引ッ立てろ、とばかり、もう宗易の背を突くやら、恐い眼が、
「歩けッ」
と、彼を拉した。
宗易は、自分の答えを「よしなき事をしてける――」と、多少悔いないでもない面持ちであったが、もう仕方がなかった。武士たちの血が、異常に昂まっているとおり、彼とても、この日頃は大きな昂奮につつまれていたのである。――それ故に、一枝の花でも見て、寸閑、茶に落着こうとしたのであるが、その通りな云い方が、相手に曲解をうけたのであった。
そこは、市外に近い、蒼古とした禅刹の門だった。十河存保の陣所として、鉄槍や武者の影に埋まっている。宗易は、前後を囲まれながら、槍ぶすまの門を、静かに通った。
町に女と子供の影が見えないので、淋しいのみか、ひどく殺伐である。