일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 176,911자 · 353화면

아오조라 문고

「ちと、申しあげ難うござる。御推量を――」

「む……」

家康は、信雄を、思いうかべていた。

正信は、なお久しく、家康の前にひきつけられて話していた。

この主従の間に、早くも、対秀吉策がしきりに練られていたことは疑いなかった。――けれど、表面はあくまでも、互いに、相手の歓心を求め、どちらも謙譲の礼を取って、敢えて、驕傲に出るふうなどは毛頭もない。

ここ、何らかの大機をふくむ、名人と名人との対局の序盤を見るようなものがある。一手、さしては相手の肚を見、一手酬いては相手の意を逸して嘯き――いわゆる七分三分のかねあいの状態が――天正十一年から十二年に入ろうとする期間の、大坂と東海方面の間に孕みつつある気象だった。

そして――

この気流配置による二者の二天地は、著しく対蹠的な相貌を違えていた。

新興難波の大坂は、一夜明ければ明くるごとに、隆々たる旭昇の勢いをもって、人心と物資を蝟集せしめつつあるに反し、ここ東海浜松を中心とする駿遠甲信に跨がる一団の雷雲は、むしろ晦冥濛々、なお地方的な潜勢力たるに留まっていた。

――が、家中一般の士気は、決してそうでなかった。