후리가나로 읽는 일본 고전
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
長谷川 時雨의 新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,076자 · 256화면
と承知しながら、その方へむかって歩みを運ぶのであった。
築地の海軍工場がひけたのであろう。暗い方から明るい方へと、黒い服のかたまりが押して来た。せまい歩道の上は、この人たちの列で、気の弱いものは圧倒され、たじろいで、立って待っていなければならなかった。若い娘たちは、下駄の歯をならして、おなじように厚いショールを前に垂らして、声高に話合ってゆく。まるで疲れを知らないようであるが、あの明るい町を突っ切って、暗い道にひとりひとり散らばってからは、どんな心持ちであろう。現在のわたしがそうした状態なのだが――
三十間堀に巡査の教えた家があろうはずはなかった。わたしはぐるりと廻って新橋のたもとへ出た。そこの角にあるカフェーの横の扉に、半身を見せて佇んでいる給仕女があったので、ためらわずに近寄ってきくと、その娘は気軽くて優しかった。こちらからゆけば資生堂の一、二軒手前で、交番のじき後になっていることを、すこし笑いながら言って指差して知らせてくれた。わたしも微笑ましくなった。若い娘さんに若い巡査さん、どっちも良い人で、好意をもってくれたことを感じた。娘さんにお礼をいって、笑いながら別れて、ぐるりと廻って交番の近くまで帰ってゆくのに、先刻おしえてくれた巡査の目にとまりたくないと思った。