후리가나로 읽는 일본 고전
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
長谷川 時雨의 新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 129,076자 · 256화면
けれどその須磨子の幼時は、故郷の山河は人情の冷たいものだという観念を印象させたに過ぎなかったのだ。
長野県埴科郡松代在、清野村が彼女の生れた土地で、先祖は信州上田の城主真田家の家臣、彼女の亡父も維新のおりまで仕官していた小林藤太という士族である。芸術倶楽部の一室に、九曜の星の定紋のついた陣笠がおいてあった。幕府の倒壊と共に主と禄に離れた亡父も江戸に出て町人になったが、馴れぬ士族の商法に財産も空しくして故山に帰えった。
信州の清野村に小林正子の彼女が生れたのは、明治十九年の十二月で八人の兄と姉とを持った末子であった。六歳のときに親戚にあたる上田市の長谷川家へ養女に貰われていった。小学校時代から勝気で、男の児に鎌を振りあげられて頭に傷を残している。十六歳の時になって不幸は萌しはじめた。養父の病死に一家は解散し、誠の母親よりも慈愛に富んでいた養母とも離れることになった。実家に引き取られ、その年の秋には、実父にも別れた。僅の間に二人の父を失った彼女は、草深い片田舎に埋もれている気はなかった。姉を頼りにして上京したのが、明治卅五年の四月、故郷の雪の山々にも霞たなびきそめ、都は春たけなわのころ、彼女も妙齢十七のおりからであった。