일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いちのくらさわなんりょう

新編 風雪のビヴァーク

松濤 明

松濤 明의 新編 風雪のビヴァーク(いちのくらさわなんりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,081자 · 51화면

아오조라 문고

まったく、どうしてここはこんなに風が凄いのだろう。風の上に寝るようにしてほとんど走り上るように頂上まで一気に登ってしまった。駿州側にはきわどい雪庇が張り出ていた。ピッケルのピックを雪にたたき込んでそれに噛りついて、四つん這いのまましばし頂の憩いを楽しむ。はるかかなたに摺鉢を伏せたような富士がぽっかりと浮かんでいる。聖の方は雪煙にわざわいされてあいにく眺めることができない。さて登ったはいいが下りが大変だ。下る方向へは顔を向けることができないので、登る時と同じように風の上に寝て後ろ向きに下りねばならない。ときどきバランスを崩して倒れながら、登りの何倍もの骨を折ってようやくルックデポに着いた。これでまず最初の大物が片づいた。ルックを背負い身を屈めて、この特別な強風地帯をくぐり抜ける。相変らずのクラストの雪稜をぐーっと急角度に左に曲ると、聖平がぐんぐん近づいて、再び易老付近に似た軟雪地帯が現われる。春の強烈な陽射しにべたべたになった雪は、アイゼンが少しも利かない。小さなピークをいくつか越えて、樹林の中を駆け下ると、そこは聖平であった。

亭々たる針葉樹がここかしこに見上げるばかりに突立って、その梢のかなたに、今まで肩を並べていた聖が、今は肩をいからして聳え立っている。