후리가나로 읽는 일본 고전
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いちのくらさわなんりょう
新編 風雪のビヴァーク
松濤 明
松濤 明의 新編 風雪のビヴァーク(いちのくらさわなんりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,081자 · 51화면
だが何故か予期したほどの感激は得られなかった。長時日に備えて登高欲をむしろ押え、引きのばして一日一日を辿ったためであろうか。頂の感激は、それまでに費された情熱が激しく、太く、短い時ほど大きいものなのかも知れない。目の下に長々と延びてゆく赤石東尾根、その蔭には人里椹島がある。そこへさえ飛び込めば、自分の目的は完全に具現化し得るのだが、その東尾根はトラバースする部分が非常に雪が深そうで、ちょっと下りにかかる気にはなれなかった。
私はこの時、自分をどっちの方向へ導いて行ったらよいか、甚だしく当惑していた。とにかくあとは下り一方なのだし、それに今日は日暮れに近い。これをいい口実にして、私は決断を延期することになった。大聖寺平付近でビバークして、明日は再びここへ来るか、大河原へ下るかとくと思案しよう。そうきめて私は大聖寺平へと向った――。ところがあまり晴天つづきで薄気味悪さをただよわせていた空は、ついに変調を示しはじめた。荒川岳のかなた、うごめく陽に淡く色づいた空には化物のような怪雲が幾重にも積み重なって、突如として出現したのである。「ああ明日は荒れる」。