후리가나로 읽는 일본 고전
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いちのくらさわなんりょう
新編 風雪のビヴァーク
松濤 明
松濤 明의 新編 風雪のビヴァーク(いちのくらさわなんりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 25,081자 · 51화면
だが、私がそこに見出したのはなんであったろう。それは人間はおろか、猫の子一匹の気配さえない死の部落椹島であったのだ。ただ無数の空家が暮色の中に森閑として軒を並べるばかり。私は鉄槌を喰ったような感じで、しばらく茫然と立ちつくした。にわかに恐ろしいものがひしひしと押し寄せてきた。そこからも、ここからも、朽ち果てた髑髏が崩れ落ちてくる。自分は今、死の中にある。光は消えた。動くことが息詰まるほど恐ろしかった。
夜は容赦なく迫ってくる。むざんに踏躙られた期待を胸にしながら、致し方なく河原に下りて、とある空家の軒場にビバークの用意をした。暗い。この世のものとは思われぬほど真っ暗な夜である。妙に滅入ってしまった。だが、明日は二軒小屋へ行ける。二軒小屋、そこには人がいるだろう。それに一縷の光明を求めて元気を出して焚火を始めた。真夜中ついに雨が降りはじめたので、その空家の中に入って土間で豪勢に火を燃やして憂さを晴らした。
三月三十一日 小雨後晴
眼が覚めた時は明るい雨が降っていたが、出発の準備をしているうちに具合よく晴れ上がってくれた。そして再び明るい陽が照りはじめ、空もうって変って青空になった。