일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんさいゆうき

新西遊記

久生 十蘭

久生 十蘭의 新西遊記(しんさいゆうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 26,654자 · 52화면

아오조라 문고

いまさらそんなものを噛んでみても甲斐ないことだと思ったが、いわれたとおりにすると、いつとなく動悸が鎮まり、いくらかものの綾が見えるようになった。いまこそ成否のわかれ目と、夢中になって這いずりあがっているうちに、急に風の吹きかたがちがってきた。そこは烈風が吹き浄めた岩層が平らにひろがった西の岩肩で、ついむこうに降り口が見えている。合掌したまま思わずそこへ坐りこんでしまった。

二時間ほど降った岩曲で死んだようになって眠り、翌日一日下って、山腹のサンダーという寒村で泊った。三日ばかりそこで休養してから、厚く犒ってテンバを帰し、六貫目ばかりになった荷を背負ってトルボ・セーのほうへ歩きだした。十日目の正午頃、見おろすような深い谷間にそれらしい村を見たが、ここで足をとめると、これからの先行きがむずかしくなると、そのまま北へ北へと進み、ネパールと西蔵の国境になっているクヒガングリの頂上にのぼりついた。

山は北側へゆるくなだれ降り、西蔵高原の山々が八重波のようにおし重なっている間を、一筋、河が白く光りながら流れている。後を振り返ると、二十日前に越えてきたドーラギリが、ヒマラヤの氷壁の上に架空のような唐突な山容を見せ、雲をつくばかりにぬきだしている。