후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
太宰 治의 新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,562자 · 179화면
(新可笑記、巻五の四、腹からの女追剥)
赤い太鼓
むかし都の西陣に、織物職人の家多く、軒をならべておのおの織物の腕を競い家業にはげんでいる中に、徳兵衛とて、名こそ福徳の人に似ているが、どういうものか、お金が残らず胆を冷やしてその日暮し、晩酌も二合を越えず、女房と連添うて十九年、他の女にお酌をさせた経験も無く、道楽といえば、たまに下職を相手に将棋をさすくらいのもので、それもひまを惜しんで目まぐるしい早将棋一番かぎり、約束の仕事の日限を違えた事はいちども無く万事に油断せず精出して、女房も丈夫、子供も息災、みずからは二十の時に奥歯一本虫に食われて三日病んだ他には病気というものを知らず、さりとてけちで世間の附き合いの義理を欠くというわけではなく職人仲間に律儀者の評判を取り、しかも神仏の信心深く、ひとつとして悪事なく、人生四十年を過して来たものの、どういうわけか、いつも貧乏で、世の中には貧乏性といってこのような不思議はままある事ながら、それにしても、徳兵衛ほどの善人がいつまでも福の神に見舞われぬとは、浮世にはわからぬ事もあるものだと、町内の顔役たちは女房に寝物語してひそかにわが家の内福に安堵するというような有様であった。