후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
太宰 治의 新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,562자 · 179화면
から一刻も早くのがれ出るふんべつ。家に一銭でも大事の日なのに、手箱の底を掻いて一歩金二つ三つ、小粒銀三十ばかり財布に入れて懐中にねじ込み、「お金は少し残して置いた。この中から、お前の正月のお小遣いをのけて、あとは借金取りに少しずつばらまいてやって、無くなったら寝ちまえ。借金取りの顔が見えないように、あちら向きに寝ると少しは気が楽だよ。ものには堪忍という事がある。きょう一日の我慢だ。あちら向きに寝て、死んだ振りでもしているさ。世の中は、陰陽、陰陽。」と言い捨てて、小走りに走って家を出た。
家を出ると、急にむずかしき顔して衣紋をつくろい、そり身になってそろりそろりと歩いて、物持の大旦那がしもじもの景気、世のうつりかわりなど見て廻っているみたいな余裕ありげな様子である。けれども内心は、天神様や観音様、南無八幡大菩薩、不動明王摩利支天、べんてん大黒、仁王まで滅茶苦茶にありとあらゆる神仏のお名を称えて、あわれきょう一日の大難のがれさせ給え、たすけ給えと念じて眼のさき真暗、全身鳥肌立って背筋から油汗がわいて出て、世界に身を置くべき場所も無く、かかる地獄の思いの借財者の行きつくところは一つ。