후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
太宰 治의 新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,562자 · 179화면
」と親の真情、ぴたりと畳に両手をついてお辞儀をしたのだ。いや、あの子はどうも、とは言われない。その上、若殿から蛸もぜひとの内命があったのだから、どうしても蛸をお供の人数に差加えないわけにはゆかぬ。しぶしぶ丹三郎を連れて国元を出発したが、京を過ぎて東路をくだり、草津の宿に着いた頃には、そろそろ丹三郎、皆の足手まといになっていた。だいいち、ひどく朝寝坊だ。若殿と二人で夜おそくまで、宿の女中にたわむれて賭事やら狐拳やら双六やら、いやらしく忍び笑いして打興じて、式部は流石に見るに見兼ね、
「あすは早朝の出発ゆえ、もはや、おやすみなさるよう。」と思い切って隣室から強く言っても、若殿は平気で、
「遊山の旅だ。かまわぬ。のう、蛸め。」
「はあ。」と蛸は答えて、にやにや笑っている。そうして、翌朝、蛸は若殿よりもおそく起きる。この丹三郎ひとりの朝寝坊のために、一行の宿からの出発が、いつもおくれる。若殿は、のんきに、
「捨て置け。あとから追いつく。」と言い、蛸ひとりを宿に置いてさっさと発足しようとなさるが、神崎式部は丹三郎の親の丹後から、あの子をよろしくと、一言たのまれているのだ。