후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
路を曲ると急に冷気が真新しく顔を打って来た。スイスの山山が天と戯れつつ媚態をくねらせ、日光に浸った全面の賑やかさの中から白い氷の海が見えて来た。
「ああ、あれがそうだわ。あそこを渡るのね。」
千鶴子は云いながら足早やに路を急いだ。鋸の歯のようにぎざぎざの氷の峰を連ねた半透明の氷河は、かすかに傾いた趣きでいよいよ全幅を二人の前へ現した。矢代は道の尽きたところに立って氷河を見降ろしながら、
「どうもしかし、こ奴はなかなか危険だぞ。」と呟いた。
「じゃ、矢代さんはあたしの後について渡っていらっしゃいよ。あたし、こういうところは案外お上手なの。」
千鶴子にそう云われてはもう矢代も後へは退けなかった。氷の傍まで降りて行って見ると、氷河は高さ五米ほどの鋭い歯形の起伏を、二町の幅の中にぎっしりと無数に詰め谷間を下へ流れていた。二人は用意の靴下を靴の辷らぬ用心に靴の上から履き込み、手袋をはめて氷河の斜面を登り始めた。
一つ二つの尾根は矢代が先に立って、靴の踵で氷を傷つけつつ、後の千鶴子の登る足場を造る役目になった。しかし、三つ四つと渡り越すうちに、氷の峰と峰の間の断層が底知れぬ深さを潜めて増して来た。