후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
あまり客のいない室で静かに自分の国の新聞を読んでいる外人たちの中で、二人の日本人だけがしきりにベルリンとパリについて激論していた。一人はベルリン党と見え、ドイツの団結力と綜合力とが、パリの自由性と分析力よりはるかに勝って次の時代を進めてゆくという主張に対し、パリ党の方は、
「このパリの自由さ、このパリ人の平和への人間愛。」
という風な感激した言葉で反抗しているのも、矢代は日本ではなかなか見られぬ風景だと思った。しかし、日本でもこの二つの思想派は絶えず捻じ合い殴り合いして来て今にまでつづいているのを思うにつけ、いつも久慈と二人で論争して来たそのテーブルで、今も二人の青年が泡を飛ばしている姿が、やはり何ものかに燃え上っていって果て知れぬそれぞれの苦悩と楽しみの現れのように見えた。
「やっとるぞ。」
矢代は微笑しながら聞いているうちに、自分も懐中深く持っている秘めたマッチを取り出し、思わず二人の議論に火を点けたくなるのだった。
「いったい、めいめい何に火を点けたいのだろう。実はおれも火を点けたい。」
ふとこう思った彼は眼を上げたとき、濡れ鼠になった石の古い建物が全身から汗のような雨滴を垂れ流している姿が映った。