일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면

아오조라 문고

下手をするよりこのままそっとしておくに限ると矢代は言葉もなく黙っていた。

「少少疲れましたね。」

事実矢代は疲れを感じて云ってみたのだが、「そうね。」と真紀子は低く答えただけだった。彼は太い磨きのかかった淡紅色の大理石の円柱に片手をつき、千鶴子の現れるのを探しながらも、傍の真紀子の不機嫌さにホールの美しさも今は溷濁して感じられた。

「あら、あれは高さんだわ。」

と突然そのとき真紀子は下の遊歩廊の左の方を覗いて云った。酒場の方へ通じる入口の所に、カフェーでよく会う画家の李成栄と、来る船中ダンスの会で真紀子がデッキでよく踊った高有明の二人が立っていた。高は上海の有名な支那銀行の頭取の息子で、東京帝大の経済を出た日本語の巧みな上品な青年だったが、どういうものか船中は一等に乗らず二等にいた。

「一寸行って来ましてよ。」

真紀子は矢代を一人露台に残して階段を降りていった。李と高は婦人を連れていないためであろう、ホールの中へは出ずいつまでも入口の壁の前に立っていたが、横から真紀子に肩を打たれて驚く高の眼鏡が忽ち笑顔となり、懐しげに握手をした。笑うと顔を赧らめ眼を大きく開いてきらきらと光らせる高の上品な癖を、矢代は露台の上から眺めながら、真紀子の大胆な変化に今さらある恐怖を感じて来るのだった。