일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면

아오조라 문고

空気抜きからかすかに光りの射し込んで来るところは、互の顔もおぼろに見別けられたが、暗くなって来ると真紀子は、

「恐いわ、恐いわ。」

と云って久慈から放れなかった。手探りで廻り昇るため方向の変り日毎に二人は突き衝ってばかりいた。石の古さの発散させる強烈な酸性の臭いに充ちた闇の中では、うっすらと汗を含んで蠢めく真紀子の体の温みは、死を貫きのぼって来る生き物の真っ赤な美しさに感じられた。

「どこまで昇ったらいいんだ。まだか。」

と久慈は上を仰いで塩野に訊ねた。そんなに訊ねている間にも真紀子と久慈の昇る力が喰い違った。二人が蹌踉めいて壁に衝きあたるときにも、脆い石の肌がぼろぼろ首筋へこぼれ落ちた。

「まるでこれや、歴史みたいだな。」

と久慈は闇の中で呟いて笑った。

「だって、恐いのよ。あなた見えて? あたしちっとも見えない。」

上では昇りつめたらしい塩野がもう扉にぶち衝っている音がしていた。五つ目の最後の鍵を廻す音も同時に聞えた。

「早く来てくれエ。固い固い。錆びてやがる。」

塩野はそんなに云いながらまたどすんどすんと体当りをしつづけた。皆が上へ昇り着いたとき塩野はいら立たしそうな声で、