후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
間もなく涙が塩野の眼から滴って来るのを久慈は見た。久慈は全く不意に感動を覚えて夕日の方を向いたまま無意味に歩いた。自分も何かしたい、こうしてはいられない。――久慈はこう思うと、ふとぜひ今夜でも真紀子に高有明を紹介して貰わねばならぬと決心するのだった。
三階の真紀子の部屋は天井も高く周囲の物音も聞えなかった。蜂の巣のように中に無数の内房を包んで連った建物の、その中の一つのこの部屋から外を見ると、空は少しも見えずただあたり一角の裏窓ばかり見られたが、この夜はその窓も閉っていた。久慈のホテルの部屋にバスのないのを知っている真紀子は、彼にバスはどうかとすすめたので、彼はそれにも這人って出て来たばかりで、まだ濡れた頭髪も掻きあげたままだった。
真紀子は彼の次に自分の這入る湯を入れ替える間、久慈とテーブルに向き合い流れ落ちる湯の音に、ときどき聞き耳を立てていた。手首のところに少し人より目立つ初毛の延びたのが、灯影を受けた白い肌のうえで斜めに先を揃えて見える。一重瞼にうっすら影のさしている眼もとに勝気な鋭さの出ているのも、それも動かぬときには、心の流れを他人に知られぬ涼しさだった。