후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
「おい、やってみようよ。手さえ横へ出していなきゃ絶対安全だよ。皆でやろうやろう。」
久慈はそう云いながら矢代を曳いて無理に自分がさきに立ち段を上った。おじけるかと思った真紀子や千鶴子も素直に後からついて来た。空いた自動車の一つに乗った久慈は横へ真紀子を乗せ、他の車に矢代と千鶴子が乗って無造作に運転し始めた。二人がきっちりと腰を並べられるほどな狭さの低い自動車だったが、さて走らせるとなると、あんまり自由にどちらへでも辷りすぎる不安定さで、なかなか思うようには動かなかった。
「ははア、これや、いよいよ真人間だ。」
と久慈は矢代の方を面白そうに見て笑った。少し辷り出してまだ笑いの停らぬ間に、もう残酷に一台の車が突進して来だ。そして、「あッ。」と云う途端に横腹へひと突き衝っていった。大きな音の割りに痛さを身に感じない具合は急に久慈を大胆にさせた。彼は電流の不安定さに任せて群がる自動車の中へ辷り込んだ。みな誰も手もとの狂いのままに相手の狂いも赦している寛容な顔がひどく久慈に気に入った。初めは人に突き衝ることよりどうして避けようかと気を張ったが、無秩序を理性としている他の車の進行に注意していては、この混雑した闘争のさ中をきり脱けることが出来なかった。