후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
ここにいるもののすべては云うに及ばず、恐らく世界の知識階級のものたちにとって、この日ほど、注目すべき日は近来になかっただろう。それも、どんなことが起ったところで、ニュースは言葉を濁し、明白な報知をしないに定っているのである。
「僕ももうじきベルリンへ行こうと思ってます。また向うでお会いしましよう。」
と矢代は云って中田のどことなく困惑している笑顔を眺めた。皆が一番衝突の激しいのはバスティユであろうとか、サンゼリゼであろうかと云っている時でも、中田はひとり腕を組み、ときどき黙ってはしきりに考え込んだ。
「ここがこんな風になっちゃ、これから学生に教える人は困りましょうね。」
と矢代は茶飲み話にふと口を辷らせた。
「そうです。われわれはもう教えようがなくなりましたよ。この間からここを見ていて、日本がこんなになられちゃ、こりゃ困ると思ってるんです。」
大学の教授がこんなことを素人に云うのは、一応考うべき重大なことにちがいなかったが、それをふと思わず洩した中田に矢代は好感を持った。世界通念を理由として論理的に中田の呟きを引き延ばし論争をし出すとすれば、日本の大学は破滅すること勿論だった。