후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
その子の云うことが父の希いに脱れた奇妙なことを云い出したのであってみれば、父に分らぬのも尤もと云うべきであった。
「やはり時代というものは、争われずあるんですね。これで。」
矢代は有耶無耶なことを云って言葉を濁したが、洋行して来た自分よりも、子供にそれをさせることのみ専念して、身を慎しみ、生涯を貯蓄に暮しつづけた父の凡庸さが、自分よりはるかに立派な行いのように思われた。しかし、彼は父が何ぜともなく気の毒な感じがした。それはもう云いたくもない、生涯黙っていたいことの一つだった。彼は父の期待に酬いることの出来なかった辱しさを瞬間心底に感じたが、すぐまた諦め返して街の灯を見つづけた。
「ああ、しかし、いったい、何を自分はして来たのだろう。」
ふとときどきそんなに彼は思った。そして、得て来た自分の荷物を手探りかけては、いや、何もない、袋は空虚だと、足もとに投げ出す気持ちの底から、暫く忘れていた千鶴子のことが頭をかすめ通って来るのだった。
銀座裏で車を捨て矢代はひとり寿司屋を目あてに歩いた。通りや街の高い建物の迫りがまったくなかった。打ち水に濡れている暗い裏街をぬけて行く間も、彼はただ食い物を追うだけの自分を感じた。