후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
とただ幽かに云ったまま、赧らみの加わった眼もとをすぐ自分の兄に向けた。
「兄ですの、どうぞ宜敷く。」
千鶴子に云われた兄の方は、坐り難げに円い膝を折って坐ったが、すぐお辞儀をするでもなく抜いた懐中から名刺を出して、ゆっくりと落ちつき払った初対面の挨拶をした。矢代は妙に間の合わぬ気持ちで二度もお辞儀をした。宇佐美由吉と書かれた文字もよく眼に入らぬまま、彼も自分の名刺を出したが、固くなりかかった気持ちが、どういうものか急に中途でなくなるのを感じた。後から来た順序で自然に由吉が床の前に坐らされ、その横へ千鶴子が坐った。
「塩野とも暫くだね。」
由吉は大徳寺の一行物の床軸を見上げてから、またあたりを尊大そうな身振りで眺め廻して塩野に云った。彼のその大仰な身振りは傲慢には見えず、一種の剽軽な微笑を絶えず泛べているので、却って磊落な風格を対う人に与えてくつろがせる妙があった。
「どうだったアメリカは?」
と塩野は由吉に訊ねた。
「そうだね、へんに大きいけれども、どうも隙間も大きくってね。」
由吉はそう答えたまま、後は二人に待たせたきりで何んとも云い出そうとしなかった。