일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

ひめくり

日めくり

壺井 栄

壺井 栄의 日めくり(ひめくり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,884자 · 34화면

아오조라 문고

乗っていた時間は十五分ぐらいなのに、妻はひどく疲れを感じていた。久しぶりのバスに酔ったのかもしれない。ふとった妻はゆっくりと、停留所わきの丸い花壇に近づいてゆき、コンクリートの縁に腰をおろした。思わずためいきが出た。

「気分わるいのか」

よってきた夫が不きげんに聞く。だまってうなずくと、

「だから遠慮せんと、ハイヤー呼べばよかったんだよ」

こんなときすぐ声がとがるのが夫のくせである。以前の妻ならすぐまにうけて、

――云ってもしようのないこと。よしてよ。

とつっかかっていったものだ。そして話はだんだんもつれてゆき、日ごろの不平不満を投げつけあうことになる。

それが夫のくせであり、いたわりでさえあることに気がつくまでに四十年かかった。と妻は思いながら、

「ごめんなさい、もう大丈夫」

立ち上ると、その妻の片腕を小脇にかかえこむようにして、

「大丈夫か。ゆっくり、歩こうよ」

と夫の声は急にやさしい。病院へいくには、目の前の広場を横ぎってから、妻の足では十五分ほど歩かねばならない。その道のりを、腕をくんで歩いていくつもりなのだろうか。つい最近まで肩を並べて歩くのさえてれていたのに、病後の足の弱った妻をみては、そんな恥じらいの気もちも失せてしまったのか。