후리가나로 읽는 일본 고전
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うえの
日和下駄 一名 東京散策記
永井 荷風
永井 荷風의 日和下駄 一名 東京散策記(うえの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,955자 · 70화면
五六人の女婢手を束ねて、ぼんやり客俟の誰彼時、たちまちガラ/\ツとひきこみしは、たしかに二人乗の人力車、根津の廓からの流丸ならずば権君御持参の高帽子、と女中はてん/″\に浮立つゝ、貯蓄のイラツシヤイを惜気もなく異韻一斉さらけだして、急ぎいでむかへて二度吃驚、男は純然たる山だし書生。」云々
根津の娼楼八幡屋跡の温泉旅館は明治三十年頃には紫明館と称していた。その頃わたくしは押川春浪井上唖々の二亡友と、外神田の妓を拉して一夜紫明館に飲んだことを覚えている。四五輛の人力車を連ねて大きな玄関口へ乗付け宿の女中に出迎えられた時の光景は当世書生気質中の叙事と多く異る所がなかったであろう。根津の社前より不忍池の北端に出る陋巷は即宮永町である。電車線路のいまだ布設せられなかった頃、わたくしは此のあたりの裏町の光景に興味を覚えて之を拙作の小説歓楽というものの中に記述したことがあった。
明治四十二三年の頃鴎外先生は学生時代のむかしを追回せられてヰタセクスアリス及び雁と題する小説二篇を草せられた。雁の篇中に現れ来る人物と其背景とは明治十五六年代のものであろう。先生の大学を卒業せられたのは明治十七年であったので、即春の家主人が当世書生気質に描き出されたものと時代を同じくしているわけである。