일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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うえの

日和下駄 一名 東京散策記

永井 荷風

永井 荷風의 日和下駄 一名 東京散策記(うえの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,955자 · 70화면

아오조라 문고

百花園

友の来って誘うものあれば、わたくしは今猶向島の百花園に遊ぶことを辞さない。是恰も一老夫のたまたま夕刊新聞を手にするや、倦まずして講談筆記の赤穂義士伝の如きものを読むに似ているとでも謂うべきであろう。老人は眼鏡の力を借りて紙上の講談筆記を読む。その講談は老人の猶衰えなかった頃徒歩して昼寄席に通い、其耳に親しく聴いたものに較べたなら、呆れるばかり拙劣な若い芸人の口述したものである。然し老人は倦まずによく之を読む。

わたくしが菊塢の庭を訪うのも亦斯くの如くである。老人が靉靆の力を借るが如く、わたくしは電車と乗合自動車に乗って向島に行き、半枯れかかっている病樹の下に立って更に珍しくもない石碑の文をよみ、また朽廃した林亭の縁側に腰をかけては、下水のような池の水を眺めて、猶且つ倦まずに半日を送る。

老人が夕刊紙に目を注ぐのは偶然夕刊紙がその手に触れて、その目の前に展げられたが故であろう。紙上に見渡される世事の報道には、いかに重大な事件が記載せられていても、老人の身には本より何等の痛痒をも感じさせぬので、遣り場のない其の視線は纔に講談筆記の上につなぎ留められる。