후리가나로 읽는 일본 고전
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うえの
日和下駄 一名 東京散策記
永井 荷風
永井 荷風의 日和下駄 一名 東京散策記(うえの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,955자 · 70화면
それも唯の奉公ではないという者もあった。いずれが真実だかわからない。兎に角僕等二三人の客の見る所、お民は相応に世間の裏表も、男の気心もわかっていて、何事にも気のつく利口な女であった。酒は好きで、酔うと客の前でもタンカを切る様子はまるで芸者のようで。一度男にだまされて、それ以来自棄半分になっているのではないかと思われるところもあったが、然し祝儀の多寡によって手の裏返して世辞をいうような賤しいところは少しもなかったので、カッフェーの給仕女としてはまず品の好い方だと思われた。
以上の観察は僕ばかりではない。いつも僕とテーブルを共にした人々の見た所も大抵同じであった。要するに僕等は初対面の人を看る時先入主をなす僻見に捉えられないように自ら戒めている。殊に世人から売笑婦として卑しめられている斯くの如き職業の女に対しては、たとえ品性上の欠点が目に見えても、それには必由来があるだろうと、僕等は同情を以て之を見ようと力めている。同情は芸術制作の基礎たるのみではない。人生社会の真相を透視する道も亦同情の外はない。観察の公平無私ならんことを希うのあまり、強いて冷静の態度を把持することは、却て臆断の過に陥りやすい。