후리가나로 읽는 일본 고전
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うえの
日和下駄 一名 東京散策記
永井 荷風
永井 荷風의 日和下駄 一名 東京散策記(うえの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,955자 · 70화면
書肆改造社の主人山本さんが自動車で僕を迎いに来て、一緒に博文館へ行ってお辞儀をしてくれと言ったのは、弁護士がお民をつれて僕の家を出て行ってから半時間とは過ぎぬ時分であった。山本さんは僕と一緒に博文館へ行って、ぺこぺこ御辞儀をしたら、或は賠償金を出さずに済むかも知れないから、是非そうして下さいと言うのである。お辞儀一つで事が済むなら訳のないことだと、僕は早速承知して主人と共にその自動車に乗り、道普請で凹凸の甚しい小石川の春日町から指ヶ谷町へ出て、薄暗い横町の阪上に立っている博文館へと馳付けた。稍しばらく控所で待たされてから、女給仕に案内せられて廊下のはずれの方へと連れて行かれるので、館主の大橋さんが面会するのかと思うと、そうではなくて、其の使用人の中の重立ったらしい人の詰めている事務室であった。その人はわたくしの一存では賠償金の多寡は即答する事ができないと云うので、結局はなしはまとまらず、山本さんと僕とは空しく退出した。そして三四日の後、山本さんの手から賠償金数千円を支払うことになった。僕が小石川のはずれまでぺこぺこ頭を下げに行ったことも結局何のやくにも立たず、取られるものは矢張取られる事になった。