후리가나로 읽는 일본 고전
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かにのかい
日本の怪談(二)
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 日本の怪談(二)(かにのかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 80,664자 · 171화면
「聞き入れてくださいますか、これは有難い、では、善は急げじゃ、今晩の中に仮祝言をしてください」
長者は喜んで家の者に命じて座敷の用意をさした。そして、それが出来ると売卜者と女を並べて仮祝言の盃をさした。売卜者は眼をつむるようにして女のほうは見なかった。女は醜い顔を伏せていた。
売卜者は義理に迫って盃をしたものの、醜い女の傍にいることはどうしてもがまんができなかった。彼は女の睡るのを待ってそっと寝床を抜けだした。そして、雨戸を開けて戸外に出て、足の向くままに小浜村のほうへ往った。それは秋の水みずした月のある夜であった。
売卜者は歩いているうちに、女が気の毒になって来た。病気になるまで己を慕うている女を捨てて逃げることは、人としての行でないように思われて来たが、赤い顔の斑点と、赤茶けた縮れ毛を思うと、醜いと云うよりも寧ろおそろしい気がして、とても帰って往こうと云う気にはなれない。しかし、己が逃げた後で、女がどんなにか悲しむであろうと思うと足は進まない。考え考えして歩いていると、微白く流れている利根川の水際に出た。彼はふと、己が川へ入って死んだとしたなら、女もしかたなく諦めはしないかと思った。