후리가나로 읽는 일본 고전
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
近松 秋江의 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,306자 · 300화면
私は不審さに小頸を傾げながら、もう一度路次に入って来てその飯田という名札の掲っている中央の家の前に立って、しばらく考えていた。
ああ読めた! 飯田というのは旦那の姓であろう、こうして、この旦那は、可哀そうな私とは正反対に好きな女をうまうまと自分の持物にしおおせて、この新しい表札を打ったのであろう、と、向うの、その嬉しい気の内を想像するだけ、自分は恐ろしい修羅に身を燃やしながら、もう生命がけであくまでも自分の悪運に突撃してゆこうとする涙ぐむような意地になって来た。三尺をまた半分にした、ようよう体のはいられるだけの小さい潜戸は、まだ日も暮れぬのに、緊く閉めきって、留守かと思うほどひっそりしている。
「もしもし、御免なさい」二、三度声をかけると、やがて、内から、
「どなたはんどす?」という声がする。たしかに母親の声である。じゃ、この家がそれにちがいなかったと思いながら、
「私です、わたしです」と自分の名をいうと、母親はそうっと、五、六寸潜戸を開けて、内から胡散そうに外を窺いて見たが、そこには私が突っ立っているので、
「ああ、あんたはんどすか」と、気まずい顔をしていいながら、がらりと潜戸を開けて外に出るや否や身体で入口に立ち塞がるような恰好をして、後手にぴしゃりと潜戸を閉めてしまった。