후리가나로 읽는 일본 고전
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
楠山 正雄의 日本の諸国物語(せっしょうせき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 75,040자 · 158화면
山姥の話
山姥と馬子
一
冬の寒い日でした。馬子の馬吉が、町から大根をたくさん馬につけて、三里先の自分の村まで帰って行きました。
町を出たのはまだ明るい昼中でしたが、日のみじかい冬のことですから、まだ半分も来ないうちに日が暮れかけてきました。村へ入るまでには山を一つ越さなければなりません。ちょうどその山にかかった時に日が落ちて、夕方のつめたい風がざわざわ吹いてきました。馬吉は何だかぞくぞくしてきましたが、しかたがないので、心の中に観音さまを祈りながら、一生懸命馬を追って行きますと、ちょうど山の途中まで来かけた時、うしろから、
「馬吉、馬吉。」
と、出しぬけに呼ぶ者がありました。
その声を聞くと、馬吉は、襟元から水をかけられたようにぞっとしました。何でもこの山には山姥が住んでいるという言い伝えが、昔からだれ伝えるとなく伝わっていました。馬吉もさっきからふいと、何だかこんな日に山姥が出るのではないか、と思っていたやさきでしたから、もう呼ばれて振り返る勇気はありません。何でも返事をしないに限ると思って、だまってすたすた、馬を引いて行きました。