일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

坂口 安吾의 明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,134자 · 43화면

아오조라 문고

そこで二人は会社を起し、土地の名所松島にちなんで、松島物産会社と名づけ、正二郎は副頭取、東京支店長となった。小心で考え深い正二郎は、武士には向かなかったが、商法には才があった。豪放な一力の女房役として細心に各地の情勢、各商人の動勢、相場の動きを察し、よく手綱をしめて一力を輔佐し、商運隆々として巨万の富を築くに至ったのである。時勢のせいもあったが、彼は意外にもハイカラ好みで、一流の西洋大工に命じて東京にいくつもない純西洋館をつくって住んだ。屋根に鐘楼があったので人々はいつか時計館とよんだのである。彼は馬車で商社に通った。まさに飛ぶ鳥を落す殿様ぶりであった。

★

彼はお久美を探したが、行方を知る者がいなかった。しかし二号もつくらず、女に深入りしなかったのは、女を怖れていたからである。気心の知れない女が一様に薄気味わるくて、商法に熟達し、社交になれても、女に臆する気持だけはどうにもならなかった。それが彼の商法を順調に育てたのかも知れなかった。

女がシミジミ恋しいと思うようになったのは新築の西洋館に移りすんでからであった。衣食住がととのってみると、足りないものは女だけで、未知の世界であるだけに、尚さら怖しく、恋しくもあった。