일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,612자 · 405화면

아오조라 문고

見る見る川しもへ押し流されて行った娘は、七、八間のところで旅絵師の手に掴まえられると、水練の巧みらしい彼は、娘を殆ど水のなかから差し上げるようにして、もとの船へ無事に泳いで帰ったので、大勢はおもわず喜びの声をあげた。取り分けその娘の親らしい老人と供の男とは手を合わせて彼を拝んだ。船頭は乗合一同にひどくあやまって、ともかく向う岸まで船を送り着けた。

娘はさのみに弱ってもいなかった。そのころは五月であるから凍えることもなかった。渡し小屋で濡れた単衣を着かえて、彼女は父と供の男とに介抱されながらしばらく休んでいるうちに、旅絵師は娘の無事を見とどけて、自分も着物を着かえて、そのまま行こうとすると、大切な娘の命を助けられたそのお礼がまだ十分に云い足りないというので、老人はしきりに彼を抑留めた。娘だけを駕籠に乗せて、自分たちは近い宿まで一緒にあるいて行って、老人はある立場茶屋の奥座敷へ無理にかの旅絵師を誘い込んで、ここであらためて礼を云った上で酒や肴を彼にすすめた。

老人は奥州の或る城下の町に穀屋の店を持っている千倉屋伝兵衛という者であった。年来の宿願であった金毘羅まいりを思い立って、娘のおげんと下男の儀平をつれて、奥州から四国の琴平まで遠い旅を続けて、その帰りには江戸見物もして、今や帰国の途中であると話した。