후리가나로 읽는 일본 고전
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ばんしゅう
晩秋
山本 周五郎
山本 周五郎의 晩秋(ばんしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,792자 · 23화면
四
――これがあの冷酷と定評をとった人だろうか。都留の心にはいつかそういう疑いが萠しはじめた。――二十年にわたって藩政を壟断し私曲を恣にした人だろうか。
然しすぐそのあとから、かの女は亡き父の死を思いだした。進藤主計は、亡き父が命を捨てて刺そうとした相手である、主家のために、岡崎領内の民たちのために、死を決してたおそうとした人間だということを、――都留は自分の部屋で幾たびかそっと懐剣の鞘を払った、それは亡父の遺志を果そうとする己れの心をたしかめるためだった。母のたましいのこもっているその刃の光りのなかに、紛れのない決意を固めようとしたのである。日が経つにつれて、都留の眼には苛立たしい、苦痛を訴えるような色が濃くなっていった。
或る夜はげしく風が吹き荒れた。その明くる朝、食膳を運んでゆくと、主計が縁側に立って庭を見ていた。
「昨夜の風できれいに葉が落ちてしまった」彼はそう云って向うを指さした、「……ごらん、あんなに枯木林になっている」
四
「あれはなんという樹か知っているか」
「どれでございましょうか」
「あの林になっている樹だ」
都留は「今だ」と思った。広縁の端に立っている主計の姿勢はあけ放しである、――今なら刺せる、そう思うとなかば夢中で側へすり寄った、片手で懐剣を握りながら、「あれは、たしか」