후리가나로 읽는 일본 고전
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けいきのこちらがわ
景気のこちら側
山本 周五郎
山本 周五郎의 景気のこちら側(けいきのこちらがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,530자 · 3화면
鉄道の沿線は広告看板がひしめき並んで、せっかく美しい風景を隠すばかり。都大路のでこぼこな狭い道を、大型小型の乗用車やトラックや電車やバスが、際限もなくすし詰めになって走り、ハニー・バケットが真昼の太陽を浴びて誇りかに往来している――こういう国へオリンピックを招き、異国の客たちに見られることをいささかも恥としない、ただもうオリンピックをやれば文明国のなかま入りができるという稚気や、便乗して金もうけをたくらんでいるような人たちを思うと、私はむしろくず屋になって、路上で子供とめしを食うほうが日本人として良心が安まるというふうな、感傷的な気分におそわれるのであります。
食うために働くということが、露骨にあらわれる年末となった。私はいま景気のこちら側で、夜明けちかい机に向かい、こごえる手指に息を吹きかけながら、あの女くず屋の次男坊のように賢く、そしてすばしこく、だれかの芋(というのはだれかにゆくべき原稿料という意味であるが)をふんだくってやろう、と意気ごみつつペンを持つのである。では失礼。
「朝日新聞」(昭和三十四年十二月)