후리가나로 읽는 일본 고전
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ダーク・ミニスター
暗黒公使
夢野 久作
夢野 久作의 暗黒公使(ダーク・ミニスター)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 214,561자 · 420화면
バード・ストーン氏は幕を引き退けた入口の扉の前に、偶像のように突立っている。その眼は唇と共に固く閉じて、両の拳を砕くるばかりに握り締めている。血色は稍青褪めて、男らしい一の字眉はひしと真中に寄ったまま微動だにせぬ。
女はそれに対してうなだれている。顔色は光を背にしているために暗くて判らないが、鬢のほつれ毛が二筋三筋にかかって慄えているのが見えた。
やがてストーン氏は静かに両眼を見開いたが、その青い瞳の中には今までと全で違った容易ならぬ光りが満ちていた。相手が尋常の女でない事を悟ったらしい。氏は又も室の中をじろりと一度見廻したが、そのまま眼を移して女の髪の下に隠れた顔を見た。そうして低いけれども底力のある、ゆっくりした調子で尋ねた。
「貴女はどうしてそれがわかりますか」
「……………」
女は答えなかった。黙って懐中から一通の手紙を取り出してストーン氏の眼の前に差し出した。
それは桃色の西洋封筒で、表には何かペンで走り書きがしてあって書留になっている。ストーン氏は受け取って、先ず表書を見たが、ちらと女の方に上眼使いをしながら、裏を返して一応検めてから封じ目を吹いた。