일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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つきかげ

月かげ

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 月かげ(つきかげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,867자 · 14화면

아오조라 문고

彼は一人ぽつねんとしており、私の所へももう誰もやって来ず、四人の女達は向うの隅にかたまって、何かひそひそ囁き合っていた。この方が却って静かでいい、と私は思いながら、一人でちびりちびりと酒を飲み、酔った眼付をぼんやり空に据えて、時間過ぎのカフェーの暮春の夜の静けさに、うっとりと心で微笑みかけていた。と、驚いたことには、向うの男が、やはり酔眼を空に据えながら、にこにこ独り笑いをしてるのだった。

その時、私は初めて思い出した。彼とはそのカフェー以外に、撞球場で一度出逢って、幾回かゲームを争ったことがあった。彼は私よりだいぶ上手だったが、私の方が勝がこんだ。それでも彼は、勝ち負けに関せずゲームになると ただにやにや笑っていた。人を馬鹿にしてるのか、或は全く虚心平気なのか、或は少し呆けてるのか、黙ってにやにや独り笑いをしながら、球を並べ直すのだった。その余りに無感情な中性的な笑いに、私はしまいには腹を立てて、彼との勝負を止してしまった。

その時のと、感じは違うが性質は似寄ってる笑いだった。私がじっと眺めてるのを知ってか知らずにか、彼はやはりにこにこ独り笑いをして、うっとりと空を見つめていた。