일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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つきとてぶくろ

月と手袋

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 月と手袋(つきとてぶくろ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,541자 · 80화면

아오조라 문고

五

あけみはサメザメと泣き出しさえした。彼女の弱気を見ると、克彦も心細くなった。

「あけみ、ここが一ばんだいじなところだ。平気にならなければいけない。平気でさえいれば、何事も起らないのだ。ほかの誰でもない自分自身に負けるのだよ。それが一ばん危険だ。絶対に証拠が無いんだからね。お互に弱気にさえならなければ、しのぎ通せるんだ。幸福がつづくんだ。いいか、わかったね」

克彦は口の酸くなるほど、同じことをくり返した。そして、やっとあけみの弱気をひるがえすことが出来たように思った。

五

それからまた数日後の夜、花田警部が訪ねて来たときには、克彦とあけみの心理に一転機を来たすような恐ろしいことが起った。彼らにとって、それからあとの十数日は、恐怖と闘争の連続であった。恐怖とはわが心への恐怖であり、闘争とはわが心との闘争であった。

その夜は、女中のきよを交えてのマージャンがはじまったが、花田のひとり勝ちがつづき、余りの一方的勝負に興味がなくなってしまった。九時頃勝負を中止して、例のジョニー・ウォーカーが出た。そして酔いが廻ると、花田はあけみをとらえて、ダンスのまねごとをやったりした。