후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면
「うん」
十四にしては大柄すぎる。つやつやしい皮膚の色をした、丸ぽちゃで、ふくふくとし肉づきは今にもはちきれそうである。やっと娘になったばかりの、色気にはまだまだよほど間の遠いかんじではあるが、しかし、それだけに、あどけない眼には夢みるような浄らかさがあった。
生活の習慣から自然に生じたものらしい。――彼女はぞくぞくっと身ぶるいした。男のおそろしさを、むしろ本能的といいたいほど肉体に犇々とかんずるのである。
「そいだが」
母の耳に口をよせてささやいた。「おっかあ、大丈夫かや、ひとりで?」
「早うゆけ!」
おのぶは、きつい眼で睨みつけた。もはや蛇にみこまれた蛙である。そんな言葉のやりとりに手間どっている余裕はなかった。とたんに表の声が、ガラリと変った。
「おい、いるのかいねえのか?」
じりじりしているらしい、いやがらせである。いることはわかりきっているのだ。返事次第で蹴やぶっても入るぞ、という威嚇をひそめた声である。
おのぶは、そっと土間へおりてから、急に声の調子を変えた。
「権次さまかね?」
カンヌキにはわざと手をふれず、そっとうしろを振りかえったのは娘が裏口から出てゆく姿を見届けたかったのであろう。