일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ほんじょまつざかちょう

本所松坂町

尾崎 士郎

尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면

아오조라 문고

一学は両刀を振りかざしながら、右に払い左に躱し、正面からとびかかってきたやつを右に握った大刀で一気に肩から斬り下げた。手応えは確かにあったらしく、仰向けざまに泉水の中に倒れるのを見すましてから、隙に乗じて廊下にとびあがった。呻き声や悲鳴が部屋の隅々から聞えてくる。もう味方の侍の中で防戦している男は一人もいなかった。

一学を目がけて斬り込んでくる浪士の数は五人、十人とふえてくる。眼も醒むるばかりの雪の色であった。

よき死に場所だという気持が、はなやかな思いを湧き立たせるようである。血にまみれた彼の両刀に月の光がキラキラと映った。一学はふたたび敵の重囲の中へおどりこんだ。もう盲目滅法である。彼は腕のつづくかぎり根のつづくかぎり斬りまくった。乱闘乱撃の中で一学は横から来た敵に足を払われたと思うと、間一髪で、声も立てずにぶっ倒れた。

「手ごわいやつじゃった、清水一学に相違あるまい」雪の上に両刀をしっかりと握りしめたまま倒れている一学の死骸を土足で踏みつける男は一人もいなかった。

江戸からの噂は連日のように横須賀村へ流れてくる。村から選抜されて吉良邸に仕えていた百姓の娘や青年たちが悄然として帰ってくるにつれて村の空気は次第に険悪になってきた。