후리가나로 읽는 일본 고전
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おうかをよめるく
杉田久女随筆集
杉田 久女
杉田 久女의 杉田久女随筆集(おうかをよめるく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,273자 · 33화면
或時には豪雨で橋の落ちた河へ行きあわせた事もあった。両岸には奔流を空しく眺めている日本人や土人が沢山いた。郵便夫もいた。父は裸になって河をあっちこち泳いで深さを極め、私共は一人一人駕籠かきの土人に負さって矢の様に早い河を渡してもらう事もあった。奔流に足を取られまいとして、底の石を探り探り歩む土人の足が危うく辷りかけてヒヤリとした事も一度や二度ではない。竹藪の中の荒壁のままの宿屋(村で一軒しかない日本人の宿)に侘びしく寝た夜もあった。丁度新竹から先は都合よく嘉義へ行く軍隊と途中から一処になったので夜も昼も軍隊と前後して、割合危険少なく幾多の困難を忍んで漸く嘉義についたのは七月の初旬であった。
やれやれと思うまもなく長途の困難な旅に苦しめられた弟はどっと寝付いて終ったのである。日本人といっても数える程しかなくやっと県庁所在地というのみで上級の官吏では家族を連れているのは私共一家のみという有様だったので、私共は県庁の内の家に這入り病弟は母が付添って市の外れの淋しい病院へ入れられた。そこはもと廟か何かのあとで、領台当時野戦病院にしてあったのを当り前の病院に使っているので軍医上り許りであったし外には医師も病院もなかった。