일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まつばやしへんや

松林蝙也

山本 周五郎

山本 周五郎의 松林蝙也(まつばやしへんや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,092자 · 25화면

아오조라 문고

やってみよう、――たとえ、鬼神のごとく強いとはいえ蝙也も人間である、付狙って油断の無いことはあるまい。

――きっと、きっと。

町は固く決心した。

蝙也が寝所へ入るのは毎晩十時と定まっていた。寝所は中庭に面した端れで、町はそのひとつ置いた次の部屋に起居していたから、蝙也の鼾は筒抜けに聞えてくる。――その夜は何もせずに寝たが、明る晩から町は寝所を離れず付狙った。しかし思ったほどそれは易しいことではなかった。鼾の声を充分に聞澄まして、跫音を忍ばせ息を殺して近寄る、襖へそっと手をかけようとするとたんに、ぴたりと鼾が止まるのだ。

――あ、気付かれた。

と思って襖から手を放すと、すぐに鼾が始まるのである。ややしばらく経ってから、

――もうよかろう。

と手を出しかけると、ぴたっと鼾が止まる、まるで見ているように正確であった。

こんなことが幾晩も続いた。ほとんど毎夜眠らないので、四五日経つと町はすっかり疲れてしまった。――物音ひとつ立てずに忍寄るのがどうして分るのか、あるいは蝙也も眠らずにいるのではないか、そう疑ってもみたが、夜が明けると四時まえに起きて、元気いっぱいに終日稽古をするところを見ると、微塵もそんな様子がないのである。