후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면
人形が出来て来ていた。幾月か空想していた人形を前にすると、あんまり立派なので(これは大変だな)と思った。
持って来たお波さんは、一人ではこわれてしまうから、わたしも東京へお供しましょうと云ってくれた。人形はびんつけで髪を結っていた。半襟に梅の模様があるのは、野崎村の久松の家に梅の木のあるのをたよりにしたのだからと云うことだった。手は踊りのように自由に動く。まだ娘だから喜怒哀楽がないのだと云って、お染の人形は、まなじりをすずやかにあけて、表情のない顔をしていた。あんまり人形が美しいので、成瀬無極氏や山田一夫氏にも宿へ来て貰って観て貰った。雨が降っていた。肩さきがぬれるほどな細かな雨だった
三人分の三等寝台を買いに行って貰ったが、一つも買えなかったので、わたしたちは空いていそうな遅い汽車に乗った。坐ったなりで身動きも出来ないほどのこみかただったが、途中名古屋あたりで一番上の寝台が空いているのをボーイが知らせて来たのでその寝台に人形を寝かせて帰った。人形の寝ている寝台の下は五ツともみんな男のひとばかり横になっていた。