후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ばいしのつえ
梅颸の杖
吉川 英治
吉川 英治의 梅颸の杖(ばいしのつえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,966자 · 32화면
『ひと言、お礼をいってお別れしたいと存じまして』
『礼を』
『へい、あれを書いて戴いたり、たいへんな御散財をかけたりして』
『そんな辞儀には及ばない』
『あっしあ、今朝みたいなこんな嬉しいこたあ今だに覚えません。先生がお偉い人だということも、ここに来て皆さんのお話しぶりを聞いて吃驚したようなわけなんで。――しかも、そのお方の証を持って、仲間の奴らを見返してやるんだから、胸が透くようでございます。夜が明けたら、新しい草鞋を突っかけて、室の津へつばさを揚げて飛んで参ります。どうか御きげんよろしゅう』
『うむ、お前はそれで、とにかく一つの仕事をしたわけだな』
そう呟いた山陽の心には、厖大な稿本の八九分どおりまで校正の朱筆に染まって、あともう僅かな所も倦み疲れかけている日本外史の業が、陣痛のように、焦々と悩んでいた。
四郎次は、にっこりとして、
『それや先生、こちとらの身に取れば、立派な仕事でございますとも。金にならねえが、仲間の奴らにゃ、これからずんと押しの利く、一代の語り草でございますからね』
『もう辞儀はいい。早く行け』
『じゃ、ごめんなすって』
寝床から立つと、四郎次の足には、新しい草鞋がついていた。