후리가나로 읽는 일본 고전
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もりのくらきよる
森の暗き夜
小川 未明
小川 未明의 森の暗き夜(もりのくらきよる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,725자 · 18화면
三
赤い爛れた眼のような火影が、女の薄紫色の厚い唇と、男の毛虫のような太い眉毛の上に泳ぎ付いた。
女は、また東を向いて仕事をしていた。三方の黄と灰色の壁が、見慣れぬ男が入ったので、茫然とした視力を見張った。ランプは、一層声を高く、ジ、ジーといって油の尽きるのを急ぐようだ。そうなれば、夜が明ける。今まで、変りのなかった家に、今夜、始めて変りのないようにと火影が、幾度か瞬いた。ひとり、白い土器ばかりは、いつそこに置かれたかということを自分ながら、永遠の問題として考えている。
その他、家に、森に、何の変動もなかった。やはり、暁の光りは、心地よげに破れた障子の穴をくぐって来た。森の頂きは、美しく紅く染った。
三
あくる晩、女はいつものように東の障子に向って仕事をしていた。ほんのりと月の光りが射し込んで来る。森に吹く風の、かすかな音が聞える。小鳥が巣を求める夜啼きの声がする。いつも女は、下を向いていてそれらのものには気付かなかった。今宵、始めて女は、手を休めて耳を傾けた。
葉と葉の摺れる音、そこには、今まで、聞えなかった柔しみがある。どうして、樹はこんな美妙の音を出すであろうか。