후리가나로 읽는 일본 고전
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ごくらく
極楽
菊池 寛
菊池 寛의 極楽(ごくらく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,532자 · 14화면
毎日同じような平和な無事な楽しい日が続いた。おかんは、一日ぼんやりと暮した。が、初て極楽に来た時のように、七重の宝樹を見ても、余り有難いとも思えなかった。伽陵頻迦の鳴いて居るのを聞いても、余り微妙だとも思えなくなった。が、娑婆に居た時のような悲しみや苦しみは少しもなかった。其の中にまた五年ばかりの日が経った。
「何時まで坐って居るのじゃろう。何時まで、こうして坐って居るのじゃろう。」と、おかんは久し振に、宗兵衛に訊いて見た。
「くどい! 何時までも、何時までもじゃ。」と、只さえ無口になって居る宗兵衛は云ったまゝ瞑目してしまった。
無事な平穏な日が、五年経ち、十年経ち、二十年経ち、三十年経った。もうおかんが、極楽へ来てからも、五十年近くの日が経った。最初は、あのように荘厳美麗に感ぜられた七重の羅網も、七重の行樹も、何の感銘をも、おかんの心に与えなかった。伽陵頻迦の鳴き声も、もう此の頃では、うるさく耳に付き出した。五十年近くの間、毎日同じものを見て居るので、見るものにも、聞くものにも飽いてしまったのである。
「ほんまに、何時までも、茲に坐っとるものか知らん。