후리가나로 읽는 일본 고전
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ごくらく
極楽
菊池 寛
菊池 寛의 極楽(ごくらく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,532자 · 14화면
周囲は暗かった、背後を顧みると累々とした闇が重って行く。が、前途だけには、ほの/″\とした光があった。どんなに、此道が長く続いても、何時かは極楽へ行けるのだ。有難い御説教で、幾度も聞かされた通りお浄土へ行けるのだ。配偶の宗兵衛にも十年振に、顔を合わせることが、出来るのだ。そう思うと、おかんは新しい力を感じて来て老の足に力を入れて、懸命に歩き続けるのだった。闇とも雲とも土とも分らない道の上で何日経ったか判らない、いや日を数えるのでなく月を数えても、幾月経ったかも判らない、いやもう一二年も経って居るのかも知れない。歩きながら、そんな事を考えたほどおかんは歩き続けた。長い/\道だった。が、おかんは勇気を失わなかった。こう、根よく歩いて居る中に、何時か極楽へ着くのに違いない。そうした望みだけは、決して失わなかった。
おかんのそうした望みは、到頭実現する時が来た。そうなるまで、幾十里歩いたか、幾百里歩いたか、それとも幾千里と云う長い道路を歩いたか判らなかった。兎に角、行手のほの/″\した闇が、ほんの僅かずつ、薄紙を剥ぐように、僅かずつ白み始めて来た。おかんは、そうなるに従って、尚更足を早めた。