후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
きをあいするこころ
樹を愛する心
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 樹を愛する心(きをあいするこころ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,805자 · 6화면
――桃の葉の汁はアセモの薬だというので、子供のある近所の人たちが、その枝葉を貰いに来て、程よく刈りこまれていた。実にはよく虫がつくので、留守の者が順々にもいで食べていた。残ってる幾つかの大きな実、それを食べるのが、帰宅した私たちの第一の楽しみだった。街で売ってる水蜜桃ほど甘味はないが、それよりも遙にすぐれた新鮮さと甘酸味とがあった。
枝葉の茂みが刈り透かされ、実がもぎ取られて、すっきりした桃の木は、やがて庭半分にその葉をまき散らした。低い樹木や金魚や水蓮は、晩秋の日ざしを仰ぎながら、安心したように桃の木を眺めた。
だが、冬を越して、春になり夏になると、挑の木はやはり凡てのものの不安の種となった。そして自らは、やはり平然と頭を振っていた。その古木に、何と驚異的な精力ぞ!
それが一昨年の秋、少し早めに葉を散らした。そして昨年の春、二三の小枝を出したきりで、その小枝も、やがて萎縮して淋しい裸形の姿になってしまった。
庭の灌木や金魚や水蓮は、真夏の光の中に沈黙した。私は両腕を組んで黙然と庭の中を歩き廻った。――妻が病気で、五月には病院のベッドに横たわっていた。