일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いんじゅうトリステサ

橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇

橘 外男

橘 外男의 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇(いんじゅうトリステサ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 154,788자 · 299화면

아오조라 문고

と自分の佇んでいるすぐ傍の、檻の中に寝そべっている一匹の犬を指し示したが、オヤジは不精そうに無言で頭を振った。

「どこにいますの?」

「まあそうお急きにならないで」と、どっちが客だか売手だか、わけのわからぬ横柄なものの言いぶりであった。

「大切な犬ですからな。手前共でもなかなかこんな所へは出しておきませんのじゃ。……強ってお望みなら、そりゃお売りしてもかまいませんがな。して、奥様は一体、雌雄どちらをお望みなさるのかな? 手前共で今売るのは雄だけだが、それでもよろしかったらお見せいたしますがな」

大体こういう素っ気ない、愛想もコソもない調子であった。せっかく銀行から引っ張り出されて来てはみたものの、私には生れ替っても、オヤジとこんな嘘の問答なぞはできなかったから、さっきからオヤジと問答しているのは妻であって、私はただ衣嚢の中で小切手を握り締めながら莫迦みたいに妻の背後に佇んでいるにすぎなかった。店全体に漂っている悪臭に辟易して、洋杖の先で土間をコツコツと突きながら、こうした問答に耳を傾けていたのであったが、もしこれが妻とこんな経緯の下に来たのでなかったならば、こんな不快な店とこんな不快なオヤジの許は、おそらくさっさと立ち去ってしまったであろうと、考えずにはいられなかったのであった。