후리가나로 읽는 일본 고전
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇(たなださいばんちょうのかいし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,181자 · 219화면
この辺では、この山を矢上山と呼んでると、一人が教えてくれました。一里ばかりもその山を登ると、その奥がいくらかだらだら下りになって、道は山の中腹をいく曲りもいく曲りも……右手に深い谷を隔てて、層々として深い山脈が走っています。渓谷を越えて、また二里ばかりの深い山道……いよいよ東水の尾へ抜ける最後の山の背梁になりますが、足の弱い女連れ、殊に昨夜は疲れて薄暗い夕方のせいか、心気朦朧として、随分手間取った道も今日は男ばかりの、しかも元気一杯に、朝の十一時頃にはもうその山の背梁も越え終って、いよいよ赤名山を左手に眺め始めました。
しかも、半信半疑で、今に現れるか、今にその辺の木陰から、二人が迎えに出るか? と胸を躍らせていたにもかかわらず、到頭どこにも姿は見当りません。してみると……してみると……やっぱり昨日の二人は……? と疑念が胸に忍び寄ってきた時分、
「旦那様来やしたぜ、いよいよ来やしたぜ……昨夜お逢いになったのは、あの辺と違えやすかね?」
と石屋が寄って来たのです。
遥かの下方に見えると栃の大木の、一際蓊鬱した木陰、そこで道は二つに分れています。一つは東水の尾へ下って行く道……すなわち、私が昨日登って来て、その下の方で一休みしたところです。