후리가나로 읽는 일본 고전
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇(たなださいばんちょうのかいし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,181자 · 219화면
と壮健だった時分を愛おしむような調子で、病人は語り出した。何度もいうとおり、声が掠れて低く、時々痰が絡んでぜいぜいと苦しそうに喘ぐのであったから、聞いているのも容易ではなかったが、面倒臭いからそういう病気の描写は、一切抜きにしよう。
「出かけていったのは、雲仙です。詳しくいうと、長崎県の南高来郡ということになりますが、別段友達がいたわけでもなければ、用事があったわけでもありません。
雲仙国立公園のパンフレットなぞを見ているうちに、子供の頃から山が好きなものですから、無性とあの辺の山へ登ってみたくなって……ちょうど学校が休み続きなもんですから、一人でブラッと出かけていったのです。……宮部さん、そこに地図がある。ちょっと取って下さい。そう……その次の抽斗に……」
と、看護婦の差し出した参謀本部の十万分の一の地図を、私の前にひろげさせた。
「もう今では、その時の記念は全部処分してしまって、何にも残っていませんが……」
病人にとっては、懐かしい思い出の地図なのであろう、が、使用した後でもしょっちゅう眺めていたと見えて、紙は皺くちゃになって、おまけに手摺れで真っ黒になっていた。