후리가나로 읽는 일본 고전
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇(たなださいばんちょうのかいし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,181자 · 219화면
「あの辺には、相当な山が沢山にあります。吾妻山……鳥甲山……国見岳……山へ登っては温泉へ泊り、温泉へ泊っては山へ登って、一週間余りも遊び暮したでしょうか? 最後に高岩山へ登って、あれから戸石川の渓谷に沿って南有馬へ出て、景色のいい千々石湾の海岸をバスに揺られて小浜、諫早へ出て帰るつもりで計画を立てていたのです。
そのために、到頭一生忘れられぬ記憶を、刻み付けられてしまいましたが……塔沢岳、稲荷山……地図に磁石を当て当て、道を南へ取って進みました。あの辺の山は、そう驚くほどの高さではありません。精々四、五百メートルから七、八百メートルくらいです。北アルプスや立山を踏破してきた身には、何でもありませんが、割合に奥行きが深くて、どこまでいっても山脈が尽きないのです。松や杉の木立が、鬱蒼と繁っています。
私が、一番最後に登った高岩山の麓から、三脱という部落を過ぎて南有馬の町は、まっすぐ南へ直線コースで大体、三里半ぐらいと踏みました。そしてやがて畑や水田や、麦畑が見えるはずなのに、いくら歩いてもいくら歩いても、そんなものが出て来るどころではないのです。叢道の両側は、見上げるような山ばかりで、蓊鬱とした杉の木ばかり、聳えています。